ソブリン金貨はイギリスが発行している金貨で、最初に登場した時期はなんと15世紀にまで遡ります。発行されたタイミングで「旧ソブリン金貨」と「新ソブリン金貨」に分けられるのが特徴です。

「旧ソブリン金貨」は15世紀、1489年から1604年までイギリスで発行されていた金貨です。ソブリンとは君主のことを指します。当時イギリスでは天使をモチーフとした金貨が流通していましたが、1489年になって初めて玉座に座す王の姿をモチーフとした金貨が登場します。

そのため、その新しい金貨を君主が描かれた金貨、すなわちソブリン金貨と呼ぶようになったのです。この金貨は1604年を最後に作られなくなり、以降はギニー金貨など別の通貨が登場していました。

しかし、1816年にイギリスは金本位制を採用します。この時それまでのギニー金貨などが、新たな金貨にとって変わられました。新たな金貨には国王の横顔が描かれ、再びソブリン金貨の名を冠した上で、本位貨幣に制定されたのです。

この「新ソブリン金貨」は1917年まで本位貨幣として発行されることとなりました。金本位制はイギリスから世界的に広まっていき、ソブリン金貨もまた国際通貨として広まってゆきます。

その後イギリスは世界恐慌で疲弊し、1931年9月に金本位制を終了しました。しかし、ソブリン金貨はなじみ深く、記念硬貨代わりに今も発行が続けられているのです。現在、単純にソブリン金貨というと、この「新ソブリン金貨」の方を指すのが一般的です。

さて、このソブリン金貨は実はもう1つ特徴があります。それは、非常に種類が多いという点です。イギリスといえば植民地を多く持っていることでも有名でした。そのため、イギリス国内はもとより各植民地の国でもこのソブリン金貨は作られていたのです。

そのうえ、完全に同じものを作るのではなく、どの国で発行されたかによって異なるミントマークが刻まれていたり、微妙に意匠が異なったりと、それぞれ差異があるのです。そのせいもあって、ソブリン金貨の価値もまたそれぞれ異なり、ソブリン金貨だからいくらになるとは決して断言できない状況になっています。

長く発行されているだけあり、ソブリン金貨自体の残存数も多めです。珍しいものでなければそのまま地金の価値が金貨の価値として採用されるでしょう。しかし、特に1836年までの古いものなどのなかには、驚くような付加価値がついているものもあります。

なかでも、1819年、1828年、1841年、1875年、1908年、1917年の金貨は希少価値が高く、50万円以上で取引されるものも含まれていると言われています。ソブリン金貨買取を希望する際は、うかつに売るのではなく専門の買取業者数社に相見積もりを取る方がよいでしょう。

福ちゃん

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