ナゲット金貨はオーストラリアでかつて発行されていた地金型金貨です。現在、このナゲット金貨は製造が終了していますが、その後を引き継ぐ形で「カンガルー金貨」が毎年発行されています。そのため、ナゲット金貨は古いもの、カンガルー金貨は新しいものと簡単に見分けることができます。

ナゲット金貨の表面にはエリザベス2世の肖像が刻まれており、これもまたカンガルー金貨と同様のものです。一方、裏面には名前の由来ともなっている「ナゲット」が描かれています。ナゲットとは、いわゆる自然金塊のことです。

このナゲット金貨が発行されたのは1986年のことになります。当時、オーストラリアはゴールドラッシュの真っ只中でした。そこでそれにあやかり、オーストラリアの地金型金貨を作るにあたってナゲットがデザインとして採用されたのです。

ナゲット金貨は1986年から1989年までのたったの4年間しか発行されておらず、その後はより希少性を高めるためという理由でカンガルーへとデザインが変更されました。カンガルーはオーストラリアの国章でもあります。

こうして、ナゲット金貨改めカンガルー金貨は、よりオーストラリアらしいデザインに生まれ変わりました。そして、毎年の発行ごとにカンガルーのデザインが変わることからコレクターの間でも大変な人気を集めることとなったのです。

このように、カンガルー金貨としてはそれぞれの絵柄ごとに人気があるものの、前身であるナゲット金貨となると、カンガルー金貨に比べればその人気は今ひとつといったところです。ナゲット金貨は、コインのデザインそのものは同一でありながらも、ナゲットのデザインがそれぞれの個体で異なることがあります。

しかし、こうした金貨1枚1枚ごとの細かな差異や、わずか4年という発行期間の短さがあってなお、残念ながらデザイン面でのプレミアはついていません。あくまでコレクションの観点から、コレクターが気にする要素の1つとなっています。

しかし、ナゲット金貨はもともとゴールドラッシュに合わせて発行された金貨でもあることから、発行当初は大変な人気がありました。ナゲット金貨が発行されていた当時、株価の大暴落が起こったことがあり、その影響を受けて金相場も引きずられるように下がって行ったことがあります。

しかし、ナゲット金貨だけはその上昇し続ける人気から、相場が全く下がらなかったといわれるほどです。

ナゲット金貨は重量としては1、1/2、1/4、1/10オンスがあります。地金型金貨ということで、品位金999、24金相当にあたる純金製です。これはメイプルリーフ金貨や後継のカンガルー金貨と同等のものになります。

前述したようにプレミア価値は特にないため、ナゲット金貨買取価格としては純金の買取相場-数百円×重量となり、地金価格がそのまま影響することになるでしょう。

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