インディアン金貨はアメリカ合衆国でかつて発行されていた金貨で、現在は発行されていません。いわゆるアンティーク金貨に分類される金貨です。インディアン金貨という名の通り、表面にはインディアンの頭部がデザインされています。

一方で、裏面にはイーグルが描かれているのが特徴です。裏面のイーグルを由来として、インディアン金貨は、額面10ドルのものを「イーグル」と呼び、半分の5ドルのものを「ハーフイーグル」、そしてさらにその半分である2.5ドルのものを「クォーターイーグル」と呼んでいます。インディアン金貨としてはこの3種類の額面が基本です。重量としては1/2、1/4、1/8トロイオンスとなっています。

また、実はこの3種類のインディアン金貨は、それぞれ額面ごとに刻まれている絵が微妙に異なるのもポイントとなります。どの金貨においてもインディアンが刻まれているのは共通しているのですが、5ドルのハーフイーグルと2.5ドルのクォーターイーグルには男性のインディアンが刻まれているのに対し、10ドルのイーグルに刻まれているのは女性です。

実はこの女性には秘密があります。一見、インディアンの羽根をつけているために女性のインディアンと思われがちですが、実はその正体はインディアンではなくアメリカの象徴、自由の女神であるのです。

この特徴的なデザインから、男性のインディアンが刻まれた、2.5ドルと5ドルのものを「オールドインディアン」と呼び、若く美しい自由の女神を刻んだ10ドルを「ヤングインディアン」とも呼んでいます。ちなみに、表のインディアンだけでなく、裏面のイーグルもまた、3種類でそれぞれ微妙に異なった姿をしているのも覚えておくとよいでしょう。

インディアン金貨は当時、実際に流通して市中で利用されてきたお金です。そのため、純金製では流通中の磨耗に耐えられないことを考慮し、耐久性の高い合金として作られています。品位は3種類共に、金が900、銅が100となっており、21.6金相当です。

このインディアン金貨を買取店に持ち込んだ場合、だいたい20金の金相場×重量が標準的な相場となります。金額にすると、1/2トロイオンスのものでは60,000円ほどとなるでしょう。基本的に地金の相場で買取価格が変動しますが、実は発行年数やミントマークの有無でも若干変わってきます。

さらに、忘れてはいけないのが特定の年に発行されたインディアン金貨です。ほとんどが金として溶かされてしまった現在、一部のインディアン金貨は残存数が非常に少なく、たまに出てくると数百万～数千万円で取引されるようなこともあります。

一方で、インディアン金貨は偽物が多いことでも知られており、偽物でも地金の価値で査定してもらうことができますが、その純度など細かい点については細心の注意を払って鑑定しなければなりません。インディアン金貨買取の際は相見積もりなどを積極的にとり、できるだけ高い金額をつけてくれる会社を選びましょう。

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